輝☆業塾の学習の一環で、日本女性会議in金沢に参加しました!


草津よりバスで到着。歌劇座にて大会の開会式。

会場となりの21世紀美術館を散策。

基調報告が、内閣府男女共同参画局長池永氏より

名勝兼六園は、朝7時から開園。朝の散歩を。

午後は9つの分科会にわかれて、各自学ぶ。

金沢城には前田利家公の銅像が鎮座。

来年度36回は栃木県佐野市にてとアピール。

旅の楽しみといえば、治部煮。金粉がトッピング

能楽師松田若子氏の静かで力強い講話に感動。

山野 之義金沢市長と記念撮影。



参加した事務局員の感想(個人の意見です)

(事務局員レポート)一昨年の倉敷市に引き続き、日本女性会議に参加させていただきました。金沢のランドマークがひしめくエリアでの開催で、たいへん充実した時間を過ごさせていただきました。基調報告「フェアネスの高い社会の構築に向けて」に登壇された池永肇恵氏は元滋賀県副知事であり、退任前にパールプロジェクトの事業案内に面会させていただく機会(最後部参照)があり、より親しみを持って聞くことができました。
 午後は分科会に分かれての学習となります。もっとも人を集めた分科会は「ハッシュタグMe tooからWe tooへ」と題した上野千鶴子氏がコーディネーターで、ジャーナリストの伊藤詩織氏らをパネリストに招いた内容(600人程度)でしたが、私はあえて小さな分科会(100名程度)「性の多様性」を選びました。

「LGBT/SOGI今求められていること」が副題のこの分科会で、パネリストの中村吉基氏の講話に魅力を感じ参加しました。
若かったころに、遠藤周作の本のモデルにもなった新宿にあるスナック「エポぺ」のマスター(フランス人神父)を思い出し、キリスト教の牧師であり、新宿2丁目でコミュニティー教会を開いていたという中村氏の登壇する分科会をとても楽しみにしていました。

LGBTといっても、LGT(レズ、ゲイ、バイセクシャル)はセクシャル・オリエンテーション(性的志向SO)であり、いわゆる多数派であるヘテロセクシャル(異性愛/女性男性の組み合わせ)の向こう側であり、最後のTはトランスジェンダーですが、ジェンダーアイデンティティ(GI:社会で割り当てられた性と自己自認の性の一致)の視点でのカテゴリーであって、LGBとTは異なる視点の類型であるという説明がありました。ちなみに社会と自身の性の一致が見られる(社会も自分も私は女/男)と認識するケースはシスジェンダーというそうです。

中村牧師はその中で、自分はゲイであり、パートナーのAさんと同じマンションの隣に暮らしているが、ある日、突発性難聴となり救急車で病院に行ったとき、病院側がAさんをパートナーとして理解してくれず、悲しく不便な思いをした話をしてくれました。他のパネラリストの話でも、法律整備や経済的視点での制度の充実も大事だが、なによりも社会的に自分たちを「承認」してほしい欲求を理解してほしいという話が耳に残りました。中村牧師の話は、本当に牧師らしいやさしい落ち着いた語り口で、「キリスト教のくせにゲイなんておかしい」という糾弾も多く苦しいときもあるそうですが、動じない姿勢は人間としてとても尊敬できる方でした。それだけでの、金沢にいった機会の価値のありがたさを感じます。

結婚して祝福されたい、自分のパートナーを紹介したい、人間としてあたりまえの気持ちを理解してほしい、という言葉は当たり前であり過ぎて、その当たり前ができないという状況を放置していることは、社会的課題であると強く感じました。
別のパネリストからは、パートナーシップ証明書を発行する自治体もあるが、効力は不完全なものもあるとしながらもまずはこの「社会的承認」の観点では一定の効果を持つという話がありました。また発行自治体である那覇市の事例で、県全体の所得が少ないため一人の経済力ではローンが組みにくい、電車がないため車社会であり、車の保険で家族として加入できるメリットの大きさなどをあげ、社会的需要の高さが実は貧困と結びついている話などは、興味深かったです。
(例1)琉球銀行:2017年、同性のパートナーについても夫婦と同様、連帯責務制度の対象に加える

 (例2)大同火災海上保険:2018年、自動車保険の全商品で同性パートナーについても「配偶者」として扱う

 

先般、日本女性会議が開催された倉敷市の取り組みも紹介されました。倉敷市の教育委員会の事例で、小中学生のLGBTへの理解を助ける授業です。電子版でテキストも見ることができます。http://www.city.kurashiki.okayama.jp/30449.htm

私も少し内容を見ましたが、性へのめざめがある時期に、こうした教育の機会があることは素晴らしいと思います。私自身、大学の時に学友が自殺した経験があり、本人も周りも含め、もっと知識や理解があったら何かが変わっていたのではないかと思う気持ちが今でも後悔として残っています。性的マイノリティーが自殺のハイリスクグループにいる話は中村牧師も言及しており、とくに多感な世代にどうやってメッセージを届けたらいいか、市井の人間である私には具体的な手法は思い浮かびませんが、これからも内省しながら考えていこうという思いを強くした分科会でした。

 

日本女性会議の分科会はこのほかにも「一人一人が大切にされる防災減災のまちづくりをめざして」「議会の景色を変えてみよう」「多様な人との文化共生を目指して」「学ぼう!こどもの今と未来について!」など様々なテーマを設定しています。たくさんの人が参加することにより、そのあとの共有も効果をもちます。
一緒に参加された方で「希望の分科会に入れず、他のものを割り当てられ残念に思っていたが、逆にまったく意識していなかった内容だったので大いに刺激になった。」と話していた方もいました。来年は栃木県開催で少し遠いですが、再来年は名古屋で開催されるそうです。機会があったら、ぜひ参加してみてください。バスでわいわい、楽しいですよ。


2018年6月に滋賀県庁を訪問し、パールプロジェクトの取り組みを紹介。